2025年12月24日

今年も残すところあとわずかとなりました。

気づけば今日はクリスマスイブ!なんの予定もないので、2025年の終わりに久しぶりにほの花の日記を書いてみたいと思います。

私たちケアマネジャーが毎月の訪問でお届けしている「利用票」。その右上に確認の署名や認印をいただくのですが、その欄にはお一人お一人の「今」が刻まれています。

私は訪問の際、なるべくご本人にサインをしていただくようお願いしています。

麻痺があったり、認知機能に変化があったりすると、代筆の方がスムーズかもしれません。ですが、ペンを握る力強さ、筆圧、文字の形、文字の配置・・・。そこから読み取れるわずかな変化は、ケアマネジャーとしての重要な「アセスメント(評価)」のひとつです。何より、ご自身の名前を書くという「尊厳」を大切にしたいと考えています。

ある男性の利用者さまは、最近は少しずつ漢字を書くことが難しくなり、ひらがなやカタカナで、一文字ずつ確かめるようにして、時にはお手本の文字をみて書いてくださることが増えていました。

ところが、その日は驚くほどスムーズに、まるで芸能人のような滑らかで力強い「漢字のサイン」を書かれたのです。

「今日はスムーズですね!芸能人のサインみたいでかっこいい!」と思わず感動していると、隣で見守っていたご家族が、「お父さん良かったね」と優しく声をかけられます。

「ケアマネさんが来る前に、朝からずっと練習していたんですよ」と。

ご本人のプライドと、それを支えるご家族の愛情を感じながら、サインが入った利用票を大事にカバンに入れました。

また、ある女性の利用者さまには、ハッとさせられることがありました。

いつも凛とした美しい字を書かれるその方に、「○○さんのような綺麗な字がかけるのが羨ましいです」と思わずこぼしたときのことです。

実は私は左利きで、幼いころに無理に右利きに矯正された経験があります。(今も左利きのままです)

当時は、書道教室では毛筆も硬筆も「右手で」という時代でした。

当時、筆を持っても鉛筆を持っても、私の右手は震えてうまく書けずに、なかなか課題が終えられず、もどかしい思いをしていました。

「練習すれば上手くなる」と周囲や、特に親にそれを言われることが、「何もわかってくれない」と悔しくて、ずっとコンプレックスを持って過ごしていました。

すると、その女性は優しくこう仰いました。

「字というのはね、その人の『個性』がでるの。上手い下手じゃないのよ。きょうだいでも全く違う字を書くでしょう?どんな字でも、その人だけの「個性」なのよ。」

その言葉に、私ははっとして、救われる思いでした。上手く書けなくて悔しかった幼少期の記憶さえも「私という個性」として、ようやく自分で認めてあげられるような気がしました。

漢字であれ、ひらがなであれ、カタカナであれ・・・。あるいは震える手で一生懸命に引かれた一本の線であれ・・・

たった一つのサインの背景には、皆さんの努力や人生、色々な記憶がぎゅっと詰まっています。

私たちがお預かりする「一枚のサイン」は単なる確認の印ではなく、心が通った大切な一枚。今日もそんなサインをいただき、そっと大切にカバンにしまうのでした。

来年も、お一人おひとりの「その人らしさ」に寄り添い、共に歩んでいける存在でありたいと思います。

だれかのために一生懸命になれること、そして自分らしさを認め合えること、そんな優しさに包まれた、最高のクリスマスになりますように。

メリークリスマス!